癒しの里 名張の湯
清家肇

ちょうど今から一年前、創業直前の名張の湯
機械室で温浴業界に入りたての清家肇(27)は
スイッチのいっぱい付いた濾過器制御盤や天井
&壁面&床をうねるパイプに囲まれ呆然とし
ていた、「なんやこれ!」…「これはちゃうで。」
とそんな言葉が脳裏をグルグル廻った。
元々はお風呂屋さん大好きで更に「芸人志望」
だった清家、お客様をフロアで接客などサービス
業の「目に見える部分」や名張の湯入社の時聞
かされていた岩盤浴で旗揚げを予定されている
「ロウリュイベント」そこに魅力を感じて「やって
みたいな。」と飛び込んだ世界で、機械の操作、
お風呂のお湯を抜く、沸かす、それを大っきな
浴槽に立ち上げると言った重大な責任を伴う
温浴施設の「裏方の仕事」を自分が
「やらねばならない…できる?覚えれる?」と
なった時、想い描いていた華やかなサービス業
とのギャップに暫くは「モンモンとした気持ち。」
で過ごすことになるのだった。清家は気持ちが後ろ向きになった時、振り返る
思い出がある。
ヤンチャだった中学生時代自分の事を本気で
怒ってくれた先生がいる。先生は「少林寺拳法」
の有段者でその出逢いをきっかけに清家も
格闘技の道を歩んだ、練習で身体を動かすのは
楽しかったが武道とは本来「道」、つまり精神の
鍛錬、黙想正座これが「キツかった…。」毎日
それ…そんな日々で中学を卒業し、
「乗り越えたんかなぁ。」と思ったら少し心が
落ち着くのだ。(高校入学で少林寺拳法から
離れてクラスメートと「漫才コンビ」を組み
学芸会規模からプロの世界へ!の志しだったが、
…相方の就職でトーンダウン。)
店舗での接客も機械室での作業も「全部お風呂
屋さんの仕事。」
名張の湯が創業オープンし真新しい浴槽に
お湯をはり、「やってみたかった。」熱波師として
清家は大型の団扇を構えライティングや
スクリーンに映る映像で演出された
男女浴衣着用混浴岩盤浴ゾーンに立った。
名張周辺では「ロウリュ」や「熱波」はまだない、
岩盤浴のお客様は
「熱い!」「熱波!?」「これ良いわ!にいちゃん!!」
と盛り上がった。
その日、清家はようやく
「オレ…やれる!」
とお風呂屋さんになった手応えを掴んだの
だった。


癒しの里 名張の湯
住所:三重県名張市希央台2番町77-1
TEL:0595-28-5526
http://www.nabarinoyu.com/index.html



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